購買傾向やニーズに応じて
魅力ある品揃えを実現し続ける

ホームセンター事業を手掛けるコーナン商事株式会社の全額出資子会社であるコーナンベトナム。2016年7月にコーナンベトナムビンタン店を開店して以降、着実に店舗数を増やしている。進出からの歩み、そして今後の目標を聞いた。

先駆者として試行錯誤を重ね
国内消費者の期待に応える

――ベトナムに進出した経緯を教えてください

 コーナン商事は日本のホームセンターとして、トップクラスの売り上げ規模を誇っています。しかし、さらなる成長を遂げるためにも、新たなマーケットを開拓する必要性を感じていました。次のステージを模索していたタイミングで、イオンモールさんから出店のお声がけをいただいたことが後押しとなり、イオンモールビンタン内に、2016年7月に初めての海外店舗となるコーナンベトナムビンタン店をオープンしました。

ただ、進出直後はこれまでベトナムにはホームセンターという業態がなかったため、「スーパーマーケットと同じでしょ?」という反応がほとんどでした。初めてホームセンターに触れるベトナム人のお客様に対し、「ホームセンターとは」という点を認知してもらうには時間を要しましたね。ホームセンターの特徴の1つとして、ホームインプルーブメント分野の木材や電動工具などを販売するというのがあります。これまで、ベトナムではそういったものは専門の市場で買うという認識が強かったのですが、メーカーなど取引先の皆さんと一緒に店頭で実演販売をするなど、地道にアピールを続けました。

また、コーナンはプライベートブランド(PB)商品に力を入れており、日本で販売している日用品、収納、作業関連品などを輸入して展開することで、お客様から支持されています。しかしながら、規制や価格の問題で、すべての商品を日本のPBで揃えることは出来ません。開店当初はPB商品を中心に販売をスタートしましたが、お客様の購買行動の観察や市場調査を繰り返し、柔軟に品揃えを変化させた結果、現在はローカルブランドの商品が全体の7割、PB商品が3割と、この3年間で商品ラインナップは大幅に変わっています。PB商品の構成比は下がっていますが、売上自体は伸びており、当社の強みを活かしつつ、品揃えの現地化を上手く進められた結果、売上の数字がついてきているといえます。
 
――ベトナムではどういった商品がよく売れていますか

 売上構成が最も高いのはホームインプルーブメント分野になります。また、家具・インテリア分野のほか、調理用品など、キッチンまわりの商品も好調に推移しています。これらのカテゴリーに共通しているのは、ローカルブランドの商品を導入しながら、徐々に品揃えのラインアップの改善を進めていることです。ローカルブランドの商品をPB商品と一緒に並べることで、価格や品質・機能などを比較検討でき、お客様が自身のニーズに最も適した商品を選択して購入できます。様々な商品を比べられることがホームセンターの魅力であり、楽しさでもありますよね。幅広いカテゴリーの商品を扱うことで、お客様が「コーナンに来れば求めているものが買える」という期待感をもって、来店してくれているのを感じるようになりました。

また、店舗レイアウトも日本とは違う取り組みをしています。日本のホームセンターでは、消耗品や季節商材を店舗入り口付近で展開することが一般的ですが、ベトナムはアセアンの中でも「食」に関する支出の比率が高い国の1つであることから、消費頻度の高い「食」関連のカテゴリーを前面に配置しています。普段から馴染みがあり、すぐに消費できるものを前面で扱うことで、「ちょっとした買い物はコーナンで」と印象付けることができました。

DIY講座の体験を通じ、
新たな価値の提供へ

ベトナム3号店目となるタンフーセラドン店外観

――10月にはビンズオンキャナリー店がオープンしますね

 10月にはビンズオンに、そして11月には北部エリアに初進出し、イオンモールハドン内に5店舗目をオープンします。北部エリアは南部と求められる商品が変わることを見込み、ハノイに拠点を置いて市場調査を進めています。

また、今後はホームセンターの特徴のひとつであるDIY分野をより打ち出していきたいと考えています。実際にタンフーセラドン店では、ワークショップのスペースを設け、店内でお客様がDIYを楽しめるようにしました。現在、お客様が実際に自分で作品を作るDIY講座を開く計画を進め、2020年には各店で本格的にスタートするつもりです。「作る楽しさを体験できる場」としてコーナンを利用してもらえたらと思っています。3年前に「ホームセンターとは」というところから始まり、今はその先の段階にきたと言えますね。

――今後の計画や展望を教えてください

 2020年度までに8店舗、2025年度までに30店舗を目指しています。北部での店舗展開では、物流面での課題などありますが、早期に複数店舗で展開できるようにして克服していきたいと考えています。
 コーナン商事は2018年に創業40周年を迎えました。会社としては成熟期を迎えていますが、コーナン商事のDNAである、「チャレンジスピリッツ」は今も健在です。アセアンで事業を展開する中で、新しい挑戦が多々ありますが、1つ1つ乗り越え、アセアン事業を1つの柱の事業としていきたいですね。

COMPANY INFO
大阪府堺市に本社を構えるコーナン商事株式会社の全額出資子会社として2016年2月に設立。同年7月にコーナンベトナムビンタン店をオープン。以降、ホーチミン市内にメガモール店、ビンズオンキャナリー店を展開し、現在北部エリアへの出店計画を進めている。
社長  濱 剛志.
1967年生まれ。大学卒業後、ジャスコ株式会社(現イオン株式会社)に入社。マレーシア勤務を経て、ベトナムで「イオンモールビンタン」の立ち上げなどに参画し、2016年に帰国。その後、コーナン商事株式会社に入社し、2017年12月より現職。