自社倉庫を新たに設置&拡張
より多くの需要に応えたい

海上・航空貨物の輸送や倉庫サービスなどを提供する物流企業「郵船ロジスティクスベトナム」。最近はハイフォン倉庫を拡張し、ダナンにも自社倉庫を新設した。事業規模を拡大する背景について、同社代表の中尾氏に聞いた。

経済成長に伴い、内需も拡大物流拠点の発展を見込む

――郵船ロジスティクスベトナムが設立されて約4年半が経ちました

中尾 郵船ロジスティクス株式会社は、航空輸送を基軸とした郵船航空サービスと、海上輸送やコントラクト・ロジスティクスが中心のNYKロジスティクス(Logistics)が統合し誕生した会社です。これにより海上輸送、航空輸送、コントラクト・ロジスティクスの収益の割合がちょうど3分の1ずつという、バランスの良い総合物流企業となりました。郵船ロジスティクス株式会社のベトナム法人である当社は、2014年4月に設立されました。

本店事務所はハノイで、拠点はホーチミン市、ダナン市をはじめとして全国に27拠点あります。自社倉庫は、統合前の2社がそれぞれバックニン省とハイズオン省に開設しており、統合後は2014年にハイフォン市、2017年にビンズオン省、2018年にダナン市と、続けて新倉庫の開所に至りました。

従業員数は現在、トラックによる運送事業を行う関連会社郵船ロジスティクス&トランスポーテ―ション社も含めると、1500人以上を抱える規模にまで成長しました。

――今年4月の来越後、当地で感じたことを教えてください

ハイフォン倉庫の2期棟外観。拡張により、ハイフォン市内最大規模の物流施設となった

中尾 ベトナムには日系企業が多く進出しており、日本人もたくさん住んでいて働きやすい環境にありますが、会社としてだけでなく私自身も、ベトナム経済の高成長や国のパワー、エネルギーについていくのに一生懸命な状況にあります。

ベトナムは元々、輸出加工の拠点でしたが、現在はベトナム人の収入が上昇していることもあり、内需が拡大しています。今後は輸出加工型サービスの提供に加えて、これまで以上に内需型の物流サービスにも力を入れていかなければと感じています。
 
――今年に入り、ハイフォン倉庫を拡張し、ダナン倉庫を開設しました

中尾 ハイフォン倉庫は2014年11月に稼働しました。港の近さを生かし、混載貨物専用のコンテナフレートステーション(CFS)倉庫や、コンテナを一時的に集積するコンテナヤードなどが設けられているのが特徴です。

ダナンに開設した自社倉庫。ベトナム中部における自社倉庫は、日系物流企業で初

ハイフォンはベトナムを代表する港地区で、最近はラックフイェン港も開港し、さらに注目を浴びている都市です。今後はストックオペレーションの拠点としての需要が高まることを見込んで倉庫の拡張を目指し、2018年1月に2期棟が完成となりました。

ダナンの自社倉庫は2018年4月に開所したばかりです。ダナンは南のホーチミン市と北のハノイを結ぶ中継地点であり、港もあります。また、ダナンを東西回路のクロスボーダー開始地点とすると、ラオス、カンボジアを通ってタイまで、先はマレーシアや最終地点となるシンガポールまで繋がるため、物流拠点としての発展が見込まれます。

近年は日本からの直行便も就航し観光地としての認知度が高まり、ホテルなどの建設ラッシュも続いています。人口も増加傾向にあるので、数年以内に消費やビジネスが一層活発になることを見越して、より多くのお客様の需要に応えるべく自社倉庫を設置しました。

本質を見抜く力を持ってお客様の問題を解決に導く

――今の課題として何が挙げられますか

中尾 今現在、人材育成に関して厳しいと感じているところがあります。ベトナム自体が売り手市場ではありますが、ハイフォン市では特に、日系以外の企業も多く進出しており、様々な面で比較されてしまうため、人材の確保や定着率の維持が難しくなっています。

当社に限らず、どの企業にとっても次世代を担う人材の育成はとても大切です。若い人口が多く、企業規模も徐々に大きくなっているにもかかわらず、経営に参画できる人材の確保がなかなか追い付きません。当社では充実した教育・研修制度の構築、公明正大な人事制度への改革、評価基準の見直しなどを図っている最中です。社員が納得できるシステムであれば、やる気やモチベーションは上昇し、離職率も減ると期待しています。

――今後の計画や目標を教えてください

中尾 現在、北部・中部に比べて南部の自社倉庫比率が低いので、社内の効率化を高めるにも南部で自社倉庫を増設したいと考えています。また、内需拡大に向けて、物流で低温に保つコールドチェーンにも力を入れたり、今後は東南アジア域内との連携も大変重要になってくるので、人や商品の移動に対応できるクロスボーダーのサービスを構築することに注力していきたいです。

当社グループのタグラインとして、 ”INSIGHT INTO ACTION”を掲げています。お客様の問題点に深く切り込んで課題の本質を理解し、お役に立てる提案や改善、サービスを、全世界2万人以上の社員1人ひとりが各地で実践することを目指しています。それを通じて、今後もお客様に認められ選ばれ続ける物流企業でありたいですね。

COMPANY INFO
郵船航空サービスは1996年にホーチミン市で、NYK ロジスティクスは2003年にハノイで駐在員事務所を開設。2010年に日本で両社の事業が統合したことを受け、2014年に郵船ロジスティクスベトナムが設立された。2018年3月末時点、世界44ヶ国・地域、550以上の拠点を持つ。
ジェネラルダイレクター 中尾 英道 HIDEMICHI NAKAO.
1961年生まれ。1985年に郵船ロジスティクスの前身である郵船航空サービスに入社。営業部のグローバル職に就き、米国シンシナティやシカゴ、タイ・バンコクに駐在員として赴任。来越前は九州支部の社長を務めていた。2018年4月より現職。