EY大手会計事務所のベトナム事情 No.040

原則0%税率を適用
一部は対象外に

EYベトナムの小野瀬です。第40回の対談は、日系企業担当の昆野諒介シニアです。

小野瀬 輸出加工企業(EPE)に対してベトナム国内企業がサービスを提供する場合において、適用すべき付加価値税(VAT)率の判断に注意が必要と聞きます。 今回は、EPEに対して提供されるサービスにかかるVATについて教えてください。

昆野 通達219号(Circular 219/2013/TT‐BTC)によると、輸出加工区などの自由貿易地域内の組織に提供され、自由貿易地域内で消費されるサービスについては、VAT税率は0%が適用されるとされています(0%課税取引)。
 
EPEは税法上、自由貿易地域内の組織とみなされ、EPEに対して提供されるサービスは、原則的に0%課税取引として扱われます。しかしながら、EPE向けのサービスであっても、住居、会議場、事務所、ホテルまたは倉庫のリースなどについては、自由貿易地域の域外で消費されると考えられるため、0%税率の適用対象外となり、通常の国内取引と同様にVAT10%が適用されます。

「消費」の概念は
曖昧なまま

小野瀬 サービスが消費される場所の判断によって適用税率が異なるのですね。どのような場合にEPE外で消費されたと判断されるのでしょうか。

昆野 税法上、消費地の定義は明確にされておらず、取り扱いに関する詳細なガイダンスの発行が待たれます。消費地の判断に迷う場合は、税務当局への事前照会(ルーリング)によって、0%課税取引とできるかを書面上で確認しておくことが最も確実でしょう。
 
例えば、税務顧問サービスや会計監査サービスは、ホーチミン市税務局による公文書によって、0%税率が適用されるという見解が明記されています。
 
ただし、これは個別の会社に対して発行された公文書であるため、地方や省によって、取り扱いが異なる可能性があります。

小野瀬 EPEであるからといって、一律にVAT0%税率が適用されるわけではないのですね。EPEとのサービス取引については、契約書上などでVATについてどのような取り決めになっているかを事前によく確認する必要がありますね。

小野瀬 貴久 Onose Takahisa
日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、EYジャカルタ勤務を経て2011年より現職。
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